千葉県(落花生県)にいると言われる妖怪一覧

  • アヤカシ

海の怪。大唐が鼻(長生郡大東岬)に、房州鉢田から出た船が、水を汲もうとつけた。草野に良い井戸があり、美しい女がいて水を汲んでくれた。船に戻ってそのことをいうと、船頭は「そこに良い井戸はない。前にも行方知れずになったものがいた。早く船を出せ。アヤカシだ」といった。すぐ船を出したが、かの娘は海に飛び込んでつけてきた。櫓ろでなぐり叩いてようよう脱出したが、もし船頭の機転がなければ皆殺しに遭っていたという。

 

  • ウミニュウドウ

海の怪。海入道。千倉町。大晦日に海に出たら入道が出て「お前は何が怖いか」と聞いた。「稼業ほど怖いものはない」と答えたら消えた。

 

  • ウミボウズ

海の怪。海坊主。柄杓を貸せといって出る。底を抜いて貸さないと船を沈められる。

 

  • カクレザトウ

道の怪。隠れ座頭。人を隠すといい、これの餅を拾えば長者になるともいう。

 

  • カッパ

水の怪。河童。八日市場市吉崎─新堀淵の河童が宝珠院の僧につかまり、以後、人馬牛を狙わないと誓文を書き、証拠に一本の松を植えた。人々は証文松と呼んだ。市原市五井町村上─養老川にいた。農夫の尻を狙って失敗したが、かえって胡瓜を貰った。翌朝、農夫の庭に水鳥のような足跡があり、逆さにした馬桶の中にお礼の黄色い壺があった。中に二枚の銭があり、一枚ずつならいくら使っても元に戻ったが、二枚を一度に使ったところ銭は出なくなった。君津郡峰上村寺尾─六所神社近くの淵に住み、川を渡る馬の腸を齧ろうとして失敗、馬の尾にかじりついたまま引き上げられた。馬方に今後悪事をしない、次に会ったとき証文を渡すと約束して許された。証文は一本の石棒だった。

 

  • カブキリコゾウ

道の怪。寂しい山道や夜道に出て「水飲め茶飲め」という、小さいおかっぱ頭の小僧。ちょんちょんな着物を着ている。

 

  • スナマキダヌキ

動物の怪。砂撒き狸。下総の利根川の堤の上を歩いていると、猫ほどのものが道を横切って川端に走り下り、水際で転がっているように見えた。やがて走り戻り、行く手のこんもりした木に登った。その下を通ると、砂をばらばらと降らせた。

 

  • タヌキノカイ

動物の怪。狸の怪。勝浦市。夜、観音坂の榎の下を通る人を坊主にするものがあった。そこで豪胆な男が榎の枝の上で待ち受けることにした。夜、知人が次々と来て降りるように説得した。妻が出産したが命が危ないという。ついには名主が来て妻はみまかったといい、棺桶を木の下に荷になってきて火をかけた。その火の中から妻が髪をふり乱して出て恨みごとをいうので、男が切り伏せると、夜明けになって怪は古狸の本性を現した。弘法寺の日蓮上人の木像の中に入り、毎夜、読経して近在の男女を詣でさせた。住持に法門の奥義を尋ねられて答え得ず、追われて殺された。香取郡大貫村の某家の天井に住み、書を乞われると鶴亀、松竹などと書き「田ぬき百八歳」と署名したという。

 

  • テナガババア

水の怪。手長婆。長い手を持つ白髪の婆。水の底に住んでいるが、水の中から出てきて、井戸端や池など危険な場所で遊ぶ子供を「水の中に引き込んでしまわれるぞ」といって戒めるという。

 

  • デンパチギツネ

動物の怪。伝八狐。橋門伝八。房総飯高壇林(仏教大学)の境内に住みついていたが、学問をしたくなり、若者に化けて十年間勉学に勤いそしんだ。卒業式(新任の住職の入山式の後とも)の日、般若湯(酒)を飲んでつい正体を現した。

 

  • ネコノカイ

動物の怪。猫の怪。佐倉市。夜睡後、枕頭で飼っていた猫が首に手巾を被って立ち、手をあげて招くような様子をした。小児が跳び舞うようであった。斬ろうとすると驚き走り出て戻ってこなかった。

 

  • フナユウレイ

海の怪。船幽霊。房総海中に夜泊りするとき、柄杓を借りたいと亡霊が出る。柄杓は底を抜いて貸さないと、終夜、舟に海水をそそぐという。

 

  • ムジナ

動物の怪。貉。稲を刈り取った後の藁の上で、子供たちに交じってトンボ返りをしたという。

 

  • ロクロクビ

家にいる怪。轆轤首。和尚に叱られた下男が夜になって抜首となり、和尚の部屋を襲った。この下男は腹が立つと首が抜けるのだという。


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